2012/05/29

伝達


木々の緑が日に日に美しくなっていますね。
木々に近づきますと、小鳥のさえずりが聞こえます。
鳥はこのさえずりだけで求愛をしたりと意思伝達をするのです。

先日5月25日の記事にて、アマゾンに住むピラハンという民族の話をいたしましたが、彼らが丸を書きますと、その丸から延々と物語を語りだすそうです。
まだ幼い私の孫は、用紙に丸や三角といった落書きをしますが、それをあたかも紙芝居のように捲りながら話をします。
こういったことも伝達手段のひとつといえるでしょう。

学問とは大変難しいものです。
しかも難しいことを言う人ほど学問を究めているという風潮があるように思います。
しかし、対して真理というのはもっと簡単なものです。

話は変わりますが、桜沢は、生前ローマ字運動に尽力しました。
ローマ字運動とは明治初年以来行われた、ローマ字を国語表記の文字として採用しようとする運動でありますが、私はなぜ桜沢がこのような運動に参加したのか長年疑問でした。
今では、桜沢は陰陽の宇宙の真理を難しい漢字等を用いず、簡単な言葉で伝えようとしたのではないかと思います。
事実、桜沢の晩年の著作は、それ以前と比べて難しい漢字も少なく、どのような人にでもわかるような書き方になっています。

難しい言い方をする中に真理はなく、鳥のさえずりや文様で伝達するような中に真理はあるのでしょう。

許容


ホルミシス効果というものがあります。
低線量放射線により、過酸化脂質を減少させる等の効果があるそうです。
放射能というのは、多いともちろん害ですが、全く0でも我々は生きていくことができません。

我々は実験による眼に見える結果を正しいと思いがちですが、実験というものは行う人や諸条件によって結果が替わってしまいます。
万物は絶えず流転しているので、全く同じ条件ということは有り得ないのです。

この世に絶対の毒や絶対の薬はなく、水でさえ摂りすぎると毒になるのです。
要するに、許容範囲が広いか狭いかということです。

2012/05/25

智恵

アマゾン奥地の人々は、子どもが火に近づいたり刃物を触ろうとしても、多くの現代人のように子どもを庇い、止めさせることをしないそうです。
せっかく子どもが危険から身を守る勉強をする機会を奪わないための教育方針なのです。
子どもは刃物や火の危険を身をもって体験し、それらへの対処法を学ぶことができるのです。

津波てんでんこという言葉があります。
岩手県の三陸海岸地域にある津波防災伝承の一つで、「津波が来たら、肉親にも構わずに、各自てんでんばらばらに一人で高台へと逃げろ」という解釈だそうです。

私の解釈は少し違います。
津波のような非常時には、万人共通の助かる法というのはなかなか無いものです。
しかし、一人一人がその状況に応じた助かる法はあります。
先の震災による津波の際も、カーテンにしがみつき流されずに助かった方がおられたという話を聞きました。
智恵で助かったと言えるでしょう。

現代人は知識を集めれば何でもできる、豊かな生活ができると思いがちですが、大事なのは智恵なのです。

古代人は知恵を備えており、智恵がなければとっくに人類は滅びていたのです。

2012/05/18

補う関係

森林浴にはいい季節になりました。
森林というのは陰陽の調和が大変よくとれています。
しかしこれを部分だけ見ると争いがあり、調和がとれているようには見えません。
全体を見るには陰陽の見方が必要なのです。
陰陽の見方をしながら森林浴をすると、いつまで木々を見ていても飽きないものです。

本来日本に「平等」はなく、「補う」(陰陽)関係があります。
森林の木々にも低い木、高い木、細い木、太い木など様々な木があります。
これらが皆平等というのはおかしなことで、それらは陰陽で構成された補う関係なのです。

同じように我々も心と体が一体であり、体が陰陽調和しなければ心が調和することはないし、その逆もまた然りです。

2012/05/15

受信


マクロビオティックを理解するためのキーワードとして「受信」というものがあります。
「考える」とは、人と自然を分離しておりますが、対して「受信」とは、人が自然の一部であるということです。
我々は受信機能を良くしていかなければなりません。
その一因が食べ物にあり、身土不二や一物全体といった思想が生まれたのです。

考えは、個々の体質等によるので、まとまることが無く分散していくものです。
受信という意識を持てば、「かくあるべし」という統一が生まれます。

2012/05/09

文武両道


私が子どもの頃は、「文武両道」がよく掲げられていました。
「武なき文、文なき武は共に真実の文ではなく、武でもない」
「武芸により、心身を統治する」
といった言葉もよく使われ、勉強と共にスポーツをして体を鍛えることも推奨されたものです。

桜沢の言葉に「原理無き技術は危険だ。技術無き原理は無用だ。」とあります。
近年は文武を分けて考えている風が在るのではないでしょうか。

「文武両道」によって、全ての人の有り様=陰陽を確認していきましよう。

2012/05/07

陰陽を生活に活かす



先日茨城県つくば市や栃木県真岡市などで竜巻とみられる突風が発生し、甚大な被害をもたらしました。
竜巻とは一体どのように発生するのでしょうか?
陰陽のメガネで見ますと、上昇しようとする陰性の空気と、下降しようとする陽性の空気の対流によって発生する渦ということでしょう。

科学というものは実体のあるものを分析するものであり、実体のない陰陽というものを計ることはできません。
しかし科学ではわからない陰陽を、我々はいつでも実体験することができます。

しょっぱい物(陽性)を食べると水(陰性)を飲みたくなるし、暑いときには服を脱いだり窓を開けたりします。
これと逆のことをする人はいないでしょう。
我々は知らず知らずのうちに陰陽を調和させ生活しているのです。

しかし、陰陽を知らないばかりに陰陽に翻弄されることも多々あります。
運動(陽性)を頑張ってやるほど、陰性のものを摂り過ぎてしまう(例えばよく冷えたビールのような)といったようなことです。
陰陽がわかると翻弄される人生から抜け出し、思いのままの人生を楽しく生きることができるのです。

近頃「心」が注目されていますが、心とは知識と誤解されることがあります。
知識とは外から与えられるものであり、それはたいてい三日坊主になってしまうものでしょう。

対して、陰陽とは自分自身で見つけるものです。
そのためには判断力を上げることが必要で、それが行動力となるのです。